親鸞聖人のお歌の心を読み解くサイト

親鸞聖人の新たな戦い

Posted on 5th 7月 2012 by はるき in 親鸞の御歌解説

あっという間に7月です。1年の折り返し地点を過ぎました。

早速、親鸞聖人のお歌を
学びたいと思います。

お歌の初めはこのように歌われています。

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おそれおおくも いまここに
見真大師が 真宗を
開きたまいし 御苦労を
のべて御恩を よろこばん

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『燕雀、安んぞ大鵬の志を知らんや』で、
聖人のご生涯を記すなどおそれ多いのは百も承知だが、
それでも書かずにはおれないのです、ということです。

燕雀とは
燕(つばめ)や雀(すずめ)などの小さな鳥のこと。

大鵬とは
ひとっ飛びに9万里ものぼるといわれる想像上の大鳥のこと。

「親鸞様の大御心など分かろうはずのない私が、
聖人のご一生をあれこれ歌に表すのは、
あまりにも危険の多いこと。

しかし、書かずにおれないのです。
恐れの多いことは承知の上で、
若輩ながらここに記させていただきます」

 作者、宝尋のやむにやまれぬ述懐で
始められているお歌なのです。

今日は次のフレーズからです。

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無常の風は惨ましく
恩師の死去は聖人の
衣の袖に便り来て
こころを傷め きずつきぬ

悲しきかなや 愚禿鸞
きびすを返し 常陸へと
すすまぬ御足 運ばれて
稲田の草庵の 仮住居

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無常の風は何人にも容赦がありません。
親鸞聖人は京都への旅の途中で、
法然上人ご逝去の悲報を聞かれたのです。

その知らせに愕然と膝を折り、
泣き崩れられた親鸞聖人。
悲嘆の涙に衣の袖を濡らされたのでした。

衝撃のあまり、聖人は、路傍に血を吐かれた、
とまで伝えられています。

親鸞聖人「都行きは……、やめる」

お弟子「え?京へは、帰られないのですか」

親鸞聖人
「法然上人のおられぬ京に、もはや未練はない」

(くるりと向きを変えられて)

「東国へ行く!関東で、阿弥陀如来の本願を、力一杯、
 お伝えしようではないか」

「十方衆生と誓われている、弥陀の本願。
 関東の人々にも、伝えきらねばならない!」

 親鸞聖人は方向を転換され、関東へ向かわれた。
常陸の国(茨城県)の稲田という在所に草庵を造り、
仮の住居とされたのです。

親鸞聖人の、真実開顕の新たな戦いが、
始ろうとしていた……。

(つづく)

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