親鸞聖人のお歌の心を読み解くサイト

親鸞聖人と磯長の夢告

Posted on 7th 6月 2009 by はるき in 親鸞の御歌紹介, 親鸞の御歌解説, 親鸞の生涯

話が前後しますが、今回は磯長の夢告についてお話したいと思います。

親鸞聖人が19歳の御時でした。
求道に行き詰まられた親鸞聖人は、かねて崇敬なされていた聖徳太子のご廟へ行かれ、生死の一大事の救われる道を尋ねられたことがありました。
この時は13日より15日までの3日間こもられたのですが、その間の模様を親鸞聖人自ら次のように書き残しておられます。

夢に如意輪観音が現れて、五葉の松を母に授けて私の出生を予告したという、かつて母から聞かされていた話を私は思い出し、観音の垂述である聖徳太子のお導きによって、この魂の解決を求めて太子ゆかりの磯長のご廟へ参詣した。

三日間、一心不乱に生死出離の道を祈り念じて、ついに失神してしまった。
その第二夜の十四日、四更(午前二時)ごろ、夢のように幻のように自ら石の戸を開いて聖徳太子が現れ、廟窟の中は明々と光明に輝いて、驚いた。

その時、親鸞聖人に告げられた太子のお言葉を、次のように記されています。

「我が三尊は塵沙界を化す。日域は大乗相応の地なり。
諦らかに聴け、諦らかに聴け、我が教令を。
汝が命根は、まさに十余歳なるべし。
命終りて速やかに清浄土に入らん。
善く信ぜよ、善く信ぜよ、真の菩薩を。
時に、建久二年九月十五日、午時初刻、前の夜(14日)の告令を記し終わった。仏弟子 範宴」

範宴(はんねん)とは若き日の親鸞聖人のことです。
この時、親鸞聖人に告げられた太子のお言葉の意味は、

「わが弥陀と観音、勢至の三尊は、この塵のような悪世を救わんと全力を尽くしておられる。
日本国は真実の仏法の栄えるにふさわしい土地である。よく聴け、よく聴け、耳を澄まして私の教えを。
おまえの命は、あと十年余りしかないだろう。
その命が終わる時、おまえは速やかに浄らかなところへ入っていくであろう。
だからおまえは、今こそ本当の菩薩を深く信じなさい。心から信じなさい」

ということでありました。

聖徳太子のご廟は、大阪府石川郡東条磯長(現・太子町)にありますので、これを磯長の夢告といわれています。
このときの親鸞聖人には、夢告が何を意味するのか、まったくわからなかったのですが、これが後に知らされようとは、知る由もない親鸞聖人でありました。

コメントは受け付けていません。

コメントはまだありません

コメントはまだありません。

コメントフォームは現在閉鎖中です。