親鸞聖人のお歌の心を読み解くサイト

「あなたはこの魂の解決、どうなさいましたか」

Posted on 16th 7月 2010 by はるき in 親鸞の教え

 いよいよ梅雨入りです。じめじめした天気が続きますが、
続けて、親鸞聖人のお歌を通して学びたいと思います。

「力を尽し御房(おんぼう)は
 本願他力を説きたまう

 聖人たちまち直入(じきにゅう)の
 真心決定(しんじんけつじょう)ましませり」

 20年間修行なされた比叡の山を捨てられ、
一大事の後生に苦しみ悩まれた親鸞聖人は
京の町を夢遊病者のようにさまよい歩いて
おられました。

 その時、京都の四条大橋で、旧友・聖覚法印に
出会われたのです。

聖覚法印
「おや、親鸞殿ではござらぬか」

親鸞聖人
「おお、あなたは、聖覚法印さまでは……」

聖覚法印
「やっぱり親鸞殿であったか。いやー久しぶりですなあ」

親鸞聖人
「あなたが山を下りられたことは聞いてはおりましたが、
 お元気そうでなによりです」

聖覚法印
「ありがとうございます。
 親鸞殿、少々お顔の色がすぐれられないようだが」

親鸞聖人
「はい。聖覚殿。肉体はどこも悪くはありませんが、
 親鸞、心の病気で苦しんでおります。
 聖覚殿、あなたはこの魂の解決、どうなさいましたか」

 ここで、親鸞聖人が苦しんでおられた「心の病気」
とはどんなものか。よく知っていただきたいと思います。

 これは親鸞聖人のみ教えを最も正確に、
多くの方に伝えられた蓮如上人が

「無明業障(むみょうごうしょう)の
 おそろしき病」

と仰っている心の病です。

 この病は親鸞聖人だけではなく、
精神科の医師も含め、全人類がかかっている、
恐ろしい病なのです。

 えーっ、私はそんな病気にかかっているの?
と驚かれるかもしれませんが、続けてお話しします。

 この病のことを「後生暗い心」とも言われます。

「後生」とは死んだ後、ということ。
「暗い」とは蛍光灯などが消えて部屋が暗い、
という暗いではなく、
「分からない」「ハッキリしない」ということです。

 インターネット、ケータイに暗い、とか聞きますよね。
その「暗い」はインターネット、ケータイのことはよく分からない、
という意味で使われているのです。

 ですから、「後生暗い心」とは死んだ後、
どうなるか分からない心、ということ。

 死んだ後は有るのか、無いのか、
 有るとしたらどうなっているのか、
 サッパリ分からない心を
「後生暗い心」と言われるのです。

 死ねば人間はどうなるのでしょう。
死んだら死んだ時さ、と思えるでしょうか。

 老後の心配をしている人もあると思います。
年金はもらえるのだろうか、生活できるのだろうか。
介護してもらうとなると大変だ。

 私を含め、人の行く道ですから、心配したり、悩んだり、
準備したりしている人が多いのでは、と思います。

 いや、もう少し近い将来の心配で
めいっぱい、という人もあると思います。

こういう投稿が新聞にありました。

「新婚夫婦です。生活費のほかに、
 将来の蓄えも必要になると思いますが、
 何から始めればよいのですか」(『読売新聞』)

 この投稿に対して、ファイナンシャルプランナーが
将来のライフプラン(子供、車、マイホー等ム)を考えて、
預金を始めることを勧めます、と回答していました。

 人は誰も、自分の未来どうなるか、心配し、
何か準備しようという気持ちが常にあるのでしょう。
私ももちろんそうです。

 しかし、結婚後の生活、老後のない人はあっても、
死後のない人はないのではないでしょうか。

 今晩死ねば、
誰もが今晩から後生に入っていかねばなりません。

 14日埼玉県で歯治療中の2歳の女の子が、
止血用の脱脂綿を気管に詰まらせ、亡くなっています。

自宅で転んで前歯を損傷したことがきっかけで、
その日のうちに後生へと旅立ってしまうとは……。

 歯科へ連れて行ったその母はとてもその現実を
受け入れられないのではないでしょうか。

「この子はどこへ行ってしまったの?」

心の叫びが聞こえるようです。

 死ねば何もなくなってしまうと心から
思えるでしょうか。

「そんなこと考えたって仕方ないよ。
 死んだら死んだ時さ。

 死ぬことばかり考えていたら
 楽しく生きられないよ」

というムキもあるかも知れません。

 それは真面目な人生観と言えるでしょうか。

 死ねばどうなるか分からない、真っ暗な心に
泣かれた親鸞聖人。私たちも臨終にその真っ暗な心に
泣く時が来るかもしれません。

 その解決が今できるとしたら、どうすれば。

「あなたはこの魂の解決、どうなさいましたか」

 親鸞聖人が聖覚法印に発せられたこの問いは、
私たちの心の底からの問いでもあると思うのです。

「無明業障のおそろしき病」について、
続けてお話ししたいと思います。

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